「ねぶた」と「ねぷた」。
どちらも青森県を代表する夏祭りですが、この2つにはどんな違いがあるのでしょうか?
「青森市はねぶた、弘前市はねぷた」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
実は、違うのは名前だけではありません。山車(だし)の形や掛け声、お祭りの雰囲気にも、それぞれの地域ならではの特徴があります。
さらに、青森県には高さ20メートルを超える巨大な山車で知られる「五所川原立佞武多(たちねぷた)」もあります。
今回は、青森県を代表する3つの祭りを比較しながら、「ねぶた」と「ねぷた」の違いをわかりやすく解説します。
💡この記事でわかること
- ねぶたとねぷたの違い
- 青森・弘前・五所川原、それぞれの祭りの特徴
- 「ラッセラー」「ヤーヤドー」などの掛け声
- ねぶた・ねぷたという名前の由来
- 初めて観光するなら、どの祭りがおすすめか
もくじ
ねぶたとねぷたの違いを一覧表で比較
まずは、青森県を代表する3つの祭りを比較してみましょう。
| 比較項目 | 青森ねぶた祭 | 弘前ねぷたまつり | 五所川原立佞武多 |
| 開催地 | 青森市 | 弘前市 | 五所川原市 |
| 開催期間 | 8月2日〜7日 | 8月1日〜7日 | 8月4日〜8日 |
| 山車の特徴 | 立体的な人形ねぶた | 扇ねぷた・組ねぷた | 縦に大きい立佞武多 |
| 代表的な掛け声 | ラッセラー | ヤーヤドー | ヤッテマレ |
| 主な魅力 | 熱気と躍動感 | 武者絵と城下町の風情 | 圧倒的な高さと迫力 |
大まかにいうと、青森は「躍動感」、弘前は「絵の美しさ」、五所川原は「高さと迫力」が特徴です。
ただし、山車の形だけで「ねぶた」「ねぷた」を区別できるわけではありません。
弘前にも人形型の「組ねぷた」があり、青森県内には地域ごとにさまざまなねぶた・ねぷた文化が残っています。
「青森ねぶた祭」とは?迫力ある人形灯籠とハネトが魅力
青森市で毎年8月2日から7日に開催される「青森ねぶた祭」。
最大の特徴は、歴史上の人物や物語などを題材にした、立体的で迫力のある人形ねぶたです。
夜になると、内部から照らされた巨大なねぶたが街を進み、太鼓や笛の音が響き渡ります。
青森ねぶた祭は、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
掛け声は「ラッセラー!」
青森ねぶた祭を象徴するのが、「ラッセラー、ラッセラー!」という掛け声です。
この掛け声とともに、ねぶたの周囲を跳ねながら進む人たちを「跳人(ハネト)」と呼びます。
大きな人形ねぶただけでなく、ハネトたちの熱気も祭りの見どころです。
観光客もハネトとして参加できる
青森ねぶた祭の魅力は、見るだけでなく参加できること。
決められたハネト衣装を正しく着用し、参加ルールを守れば、団体に所属していない観光客でも参加できます。
観客として楽しむのはもちろん、祭りの熱気を全身で感じたい人には、ハネト体験もおすすめです。
弘前ねぷたまつりとは?扇形のねぷたと「ヤーヤドー」

弘前市で毎年8月1日から7日に開催される「弘前ねぷたまつり」。
青森ねぶた祭と同じく、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
弘前ねぷたを代表するのは、扇の形をした「扇ねぷた」です。
大きな扇形の山車に描かれた武者絵が、夜の城下町を進んでいきます。
扇ねぷたと組ねぷたの違い
弘前ねぷたには、大きく分けて2つの形があります。
扇ねぷたは、その名のとおり扇の形をした山車。平面的な画面に描かれた迫力ある絵が特徴です。
一方、組ねぷたは人物などを立体的に表現した山車です。
つまり、「青森は人形、弘前は扇」と覚えるとわかりやすいものの、弘前にも人形型のねぷたがあるのです。
武者絵と見送り絵の美しさ
弘前の扇ねぷたでは、正面に描かれた勇壮な「鏡絵」と、背面に描かれた「見送り絵」の対比も見どころです。
正面の力強い武者絵だけでなく、通り過ぎたねぷたを後ろから眺める楽しみもあります。
掛け声は「ヤーヤドー」。
青森ねぶた祭とは異なる囃子や掛け声が、弘前ならではの祭りの雰囲気を生み出しています。
五所川原立佞武多とは?高さが魅力の巨大な山車

青森市、弘前市と並んで、青森県の夏祭りを語るうえで欠かせないのが「五所川原立佞武多(たちねぷた)」です。
五所川原市で毎年8月4日から8日に開催されます。
立佞武多の最大の特徴は、なんといってもその高さ。
大型の山車は高さ約23メートル、重さ約19トンにもなります。
青森ねぶたのように横に広がる迫力とも、弘前ねぷたの扇形の美しさとも違う、空に向かってそびえ立つ姿が印象的です。
巨大な立佞武多を間近で見られる施設もある
五所川原市には「立佞武多の館」という展示施設があります。
祭りの時期以外でも大型の立佞武多を間近で見られるため、夏以外に青森を訪れる人にもおすすめです。
※開館日や展示内容は訪問前に公式情報を確認してください。
そもそも「ねぶた」「ねぷた」の名前の由来は?
では、なぜ「ねぶた」「ねぷた」という名前になったのでしょうか。
有力な説の一つが、「眠り流し」という風習に由来するというものです。
眠り流しとは、農作業の妨げになる眠気や災いなどを払い流そうとする民俗行事です。
「眠り」という言葉が地域の言葉の中で変化し、「ねぶた」「ねぷた」と呼ばれるようになったと考えられています。
ただし、祭りの起源には諸説あり、すべてが明確にわかっているわけではありません。
また、「ねぶた」と「ねぷた」は、単純に祭りの形によって名前が決まっているわけでもありません。
長い歴史の中で、地域ごとに呼び方や山車の姿、運行の文化が発展してきたのです。
ねぶたとねぷた、観光で行くならどっち?
ここまで読んで、「実際に見に行くなら、どれがいいんだろう?」と思った人もいるかもしれません。
それぞれの魅力を踏まえると、こんな選び方がおすすめです。
お祭りの熱気を体感したいなら青森ねぶた祭
迫力ある人形ねぶたと、ハネトたちの掛け声や踊りを楽しみたい人には青森ねぶた祭。
特に、自分もハネトとして参加してみたい人には魅力的です。
山車の絵や伝統的な雰囲気を楽しみたいなら弘前ねぷたまつり
美しい武者絵や、扇ねぷたが進む城下町の雰囲気を味わいたいなら弘前ねぷたまつり。
山車の正面だけでなく、背面の見送り絵にも注目してみてください。
とにかく巨大な山車を見たいなら五所川原立佞武多
見上げるほど大きな山車を間近で見たいなら五所川原立佞武多。
高さ約23メートルの立佞武多が街を進む光景は、一度は見ておきたいものです。
3つの祭りは開催期間が一部重なっているので、日程を工夫すれば複数の祭りを楽しむ旅行も計画できます。
まとめ|ねぶたもねぷたも青森が誇る夏祭り
今回は、青森県を代表する3つの祭りを比較しながら、「ねぶた」と「ねぷた」の違いを紹介しました。
ポイントを振り返ってみましょう。
・青森ねぶた祭:立体的な人形ねぶたと、ハネトの「ラッセラー」が特徴
・弘前ねぷたまつり:扇ねぷたや組ねぷた、美しい武者絵と「ヤーヤドー」が特徴
・五所川原立佞武多:高さ約23メートルにもなる大型山車と「ヤッテマレ」が特徴
「ねぶた」と「ねぷた」は、ただ呼び方が違うだけではありません。
同じ青森県でも、それぞれの地域が独自の祭り文化を育ててきました。
写真や映像で見るだけでも迫力がありますが、実際に現地で聞く囃子や掛け声、夜の街を進む山車の姿には、また違った魅力があります。
青森の夏を訪れる機会があれば、ぜひそれぞれの祭りを楽しんでみてください。
